2008年
07月15日(火曜日)
2−24 目標設定!
そんなある日、亮介兄さんから手紙が来た。
生活水準の高いストックホルムのお皿洗いは全自動。
一日中ボタンを押していれば、ほとんど機械がやってくれるんだって。
「今さらまたイギリスで苦労して勉強することはないよ。
知識ばかり詰め込んだって何になる。
それより一緒に北欧で働いて、愉快な仲間たちとワーゲンバスで旅に
出ようよ。
これから毎日、ストックホルムのコンサートホールの前で夕方の5時か
ら7時まで待っているから、できるだけ早くおいで。
会わせたい人もたくさんいるんだ。」
さあ、どうしよう。
迷ってしまう。
このまま英語の勉強を続けたいし、かといって正しくきれいな英語が
短期間にそこそこ身についたとしても、果たしてそれで満足できるん
だろうか。
その答は出ないし兄さんの誘いは嬉しかったけど、私は自分の心の
声に従って、このまま勉強を続けることにする。
それで、日本で買って来た、「ヨーロッパの鉄道1か月間乗り放題」と
いうユーレイルパスをキャンセルし、戻ったお金を学費の足しにするこ
とにした。
これから何か私にもできる仕事を探すよ。
オックスフォードにいる日本人で、レストランでもぐりで働いている人た
ち何人かに会った。
「もぐり」とは、労働許可証なしってこと。
学生ビザや観光ビザで入国した人は労働してはいけないんだけど、
お皿洗いをしている学生はどこにでもいるもんだ。
さて、イギリスに来る語学学校の生徒はみんな、毎年6月と11月に
行われるケンブリッジ大学の英語検定合格を目指すんだ。
日本の英検のようなものだけど、日本と同じく政府(日本は文部科学
省)認定で、ケンブリッジ大学が委託されて実施している。
”ローアー ケンブリッジ” と ”ケンブリッジ プロフィッシェンシー”
に分れていて、前者はその後、”ファースト サーティフィケイト” という
名前に変わった。
”日本語は全く関わらない、生きた英語力の総合評価” という点で、
内容・質ともに日本の英検とは比べられないけど、
(つまり、質問もすべて英語だし、日本の英検のように難易度を高く
するために実際に使われていない単語や文語調の表現などが出る
ことはない。また、自分の意見を系統立てて述べる力も重視される)
ローアーケンブリッジの方は強いていえば英検の一級と二級の間の
レベルだそう。
その上のプロフィッシェンシーの方は、訳すと、
”(…の)熟達、熟練、技量”
まさに英語のプロってこと?
イギリスには階級制度がまだあるので、身分の低い人たちの中には
正しい英語を話せない人もいて、
(マイフェアレディーの映画を観れば納得できる)
このプロフィッシェンシー試験は、「英語を教えたいイギリス人も受け
る」 とか、「イギリス人でも落ちる人がいる」 と言われている。
だからもちろん、ほとんどの日本人は落ちて、日本人合格者は日本
全体でまだ 2,000人 くらいだって。
バイリンガルも国際ビジネスマンも学者も入ってだとしたら、私なんて
何年勉強したって受かりっこない!
でもせめてローアーケンブリッジの資格を取れば、世界を旅するに
しても、お皿洗いよりいい仕事をさせてもらえるんじゃないかなー。
そうなれば旅もずっと楽しいものになるね!
あのね、イギリスには ”オペア ガール” というシステムがあるんだよ。
外国人学生がイギリス人家庭に住み込みで家事手伝いをしながら
部屋と食事といくらかのお小遣いをもらえるというもので、気に入られ
れば家庭によっては学費の援助までしてくれるというもの。
(「なんで女だけなんだぁ〜!差別だぁ!」って声が聞こえて来そうだ
けど… まあ、レディー ファーストの国だからね ??)
ちょっとだけ日本の書生みたいな感じ?
師の家に住み込むのじゃないところが違うけど。
これは外国人学生への経済的援助と、イギリスを実際のイギリス人
家庭の中に入って知ってもらおうという、政府の国際親善策のひとつ
でもあるんだ。
一家族と正式に契約すれば、ビザも一年、ポンともらえるそう。
オペア ガールの仕事は、オペア エージェンシーへ行けばいくらでも
紹介してくれるし、時々学校の掲示板でも募集の貼り紙を見かける。
いざとなったらその仕事を見つければいいじゃない?
決めた!
英語の勉強をもう少し続ける。
ということで、来年6月のローアー ケンブリッジ合格を目標に、とりあ
えず一日おきのお皿洗いの仕事を確保し、亮介兄さんにその旨を知
らせたよ。
最初は 「早く帰ってアンシンさせてくれ」 と言って来ていた父からも、
「それほど勉強したいのだったら結婚など構わずに、一つでも上の資
格を取って来い。少しくらいの援助はしよう。がんばれ」
という手紙と一緒に、冬物衣類と食料が届いた。
今の私、お金も僅かだし言葉もろくに通じず、まるで異国に放り出さ
れた赤ちゃんみたいだけど、
目の前に本当にやりたいこと、そして手の届きそうな目標ができた。
それは、
”もう少し英語が話せ、相手の言うことも理解できるようになりたい”
いつまでたっても簡単な天候と 「ハウ アー ユー?」 の会話しかでき
ないんじゃ、つまらないもの。
自分の考えや思いを伝えたいし、相手のこともわかりたい。
そのためには相手の国のことも直接聞いて、もっと知らなくちゃ。
英語でだよ。
英語が話せるようになることで、世界がぱぁ〜っと広くなるような気が
する。
だから、まず、ローアー ケンブリッジ合格ね!
そのためには、もぐりのお皿洗いだって何だって(夜の蝶は没)する。
がんばろっ!
ミニ オックスフォード案内

町の中 映画館の近く

コーンマーケット通り
銀行、デパート、商店、マクドナルドなどが軒を連ねる

夕方、5時頃になると、こんな路上クリーニング車が現れる

オックスフォードの小道
(これは、フォトライブラリー のフリー素材をいただきました)

大学の裏道

たぶん、キングズ カレッジ
☆ 観光案内の写真には、後で撮ったものも混じっています。
美弥と筆者に、応援の2票をお願い!

生活水準の高いストックホルムのお皿洗いは全自動。
一日中ボタンを押していれば、ほとんど機械がやってくれるんだって。
「今さらまたイギリスで苦労して勉強することはないよ。
知識ばかり詰め込んだって何になる。
それより一緒に北欧で働いて、愉快な仲間たちとワーゲンバスで旅に
出ようよ。
これから毎日、ストックホルムのコンサートホールの前で夕方の5時か
ら7時まで待っているから、できるだけ早くおいで。
会わせたい人もたくさんいるんだ。」
さあ、どうしよう。
迷ってしまう。
このまま英語の勉強を続けたいし、かといって正しくきれいな英語が
短期間にそこそこ身についたとしても、果たしてそれで満足できるん
だろうか。
その答は出ないし兄さんの誘いは嬉しかったけど、私は自分の心の
声に従って、このまま勉強を続けることにする。
それで、日本で買って来た、「ヨーロッパの鉄道1か月間乗り放題」と
いうユーレイルパスをキャンセルし、戻ったお金を学費の足しにするこ
とにした。
これから何か私にもできる仕事を探すよ。
オックスフォードにいる日本人で、レストランでもぐりで働いている人た
ち何人かに会った。
「もぐり」とは、労働許可証なしってこと。
学生ビザや観光ビザで入国した人は労働してはいけないんだけど、
お皿洗いをしている学生はどこにでもいるもんだ。
さて、イギリスに来る語学学校の生徒はみんな、毎年6月と11月に
行われるケンブリッジ大学の英語検定合格を目指すんだ。
日本の英検のようなものだけど、日本と同じく政府(日本は文部科学
省)認定で、ケンブリッジ大学が委託されて実施している。
”ローアー ケンブリッジ” と ”ケンブリッジ プロフィッシェンシー”
に分れていて、前者はその後、”ファースト サーティフィケイト” という
名前に変わった。
”日本語は全く関わらない、生きた英語力の総合評価” という点で、
内容・質ともに日本の英検とは比べられないけど、
(つまり、質問もすべて英語だし、日本の英検のように難易度を高く
するために実際に使われていない単語や文語調の表現などが出る
ことはない。また、自分の意見を系統立てて述べる力も重視される)
ローアーケンブリッジの方は強いていえば英検の一級と二級の間の
レベルだそう。
その上のプロフィッシェンシーの方は、訳すと、
”(…の)熟達、熟練、技量”
まさに英語のプロってこと?
イギリスには階級制度がまだあるので、身分の低い人たちの中には
正しい英語を話せない人もいて、
(マイフェアレディーの映画を観れば納得できる)
このプロフィッシェンシー試験は、「英語を教えたいイギリス人も受け
る」 とか、「イギリス人でも落ちる人がいる」 と言われている。
だからもちろん、ほとんどの日本人は落ちて、日本人合格者は日本
全体でまだ 2,000人 くらいだって。
バイリンガルも国際ビジネスマンも学者も入ってだとしたら、私なんて
何年勉強したって受かりっこない!
でもせめてローアーケンブリッジの資格を取れば、世界を旅するに
しても、お皿洗いよりいい仕事をさせてもらえるんじゃないかなー。
そうなれば旅もずっと楽しいものになるね!
あのね、イギリスには ”オペア ガール” というシステムがあるんだよ。
外国人学生がイギリス人家庭に住み込みで家事手伝いをしながら
部屋と食事といくらかのお小遣いをもらえるというもので、気に入られ
れば家庭によっては学費の援助までしてくれるというもの。
(「なんで女だけなんだぁ〜!差別だぁ!」って声が聞こえて来そうだ
けど… まあ、レディー ファーストの国だからね ??)
ちょっとだけ日本の書生みたいな感じ?
師の家に住み込むのじゃないところが違うけど。
これは外国人学生への経済的援助と、イギリスを実際のイギリス人
家庭の中に入って知ってもらおうという、政府の国際親善策のひとつ
でもあるんだ。
一家族と正式に契約すれば、ビザも一年、ポンともらえるそう。
オペア ガールの仕事は、オペア エージェンシーへ行けばいくらでも
紹介してくれるし、時々学校の掲示板でも募集の貼り紙を見かける。
いざとなったらその仕事を見つければいいじゃない?
決めた!
英語の勉強をもう少し続ける。
ということで、来年6月のローアー ケンブリッジ合格を目標に、とりあ
えず一日おきのお皿洗いの仕事を確保し、亮介兄さんにその旨を知
らせたよ。
最初は 「早く帰ってアンシンさせてくれ」 と言って来ていた父からも、
「それほど勉強したいのだったら結婚など構わずに、一つでも上の資
格を取って来い。少しくらいの援助はしよう。がんばれ」
という手紙と一緒に、冬物衣類と食料が届いた。
今の私、お金も僅かだし言葉もろくに通じず、まるで異国に放り出さ
れた赤ちゃんみたいだけど、
目の前に本当にやりたいこと、そして手の届きそうな目標ができた。
それは、
”もう少し英語が話せ、相手の言うことも理解できるようになりたい”
いつまでたっても簡単な天候と 「ハウ アー ユー?」 の会話しかでき
ないんじゃ、つまらないもの。
自分の考えや思いを伝えたいし、相手のこともわかりたい。
そのためには相手の国のことも直接聞いて、もっと知らなくちゃ。
英語でだよ。
英語が話せるようになることで、世界がぱぁ〜っと広くなるような気が
する。
だから、まず、ローアー ケンブリッジ合格ね!
そのためには、もぐりのお皿洗いだって何だって(夜の蝶は没)する。
がんばろっ!
ミニ オックスフォード案内

町の中 映画館の近く

コーンマーケット通り
銀行、デパート、商店、マクドナルドなどが軒を連ねる

夕方、5時頃になると、こんな路上クリーニング車が現れる

オックスフォードの小道
(これは、フォトライブラリー のフリー素材をいただきました)

大学の裏道

たぶん、キングズ カレッジ
☆ 観光案内の写真には、後で撮ったものも混じっています。
美弥と筆者に、応援の2票をお願い!


