2007年
12月28日(金曜日)
トオル、君を忘れない
![]() | トオル、君を忘れない―森徹のオリンピック (2002/02) 清水 浩一 商品詳細を見る |
何から書いていいのかわからない、言葉に詰まる本です。
長野冬季オリンピックへの出場が有力視され、爽やかで元気いっぱいだった徹。
優しく可愛らしいカナダ人の彼女もいて、すべてが充実しているように見える環境にいた。
ところが、オリンピック出場の夢実現を目前に、スキルスがんに侵される。
それでも、最後まで夢をあきらめず、病気と闘う。
”商品詳細を見る”のカスタマーレビューを読めばその感動を代弁してくれているので(読んで下さいね!)、同じような内容になってしまいそうだから、私はあえてたくさん書こうと思わないけど、
ひとつだけ、何度思い出しても泣けてくる場面について書いておくよ。
徹はね、入院先の病院内でも回復した日のために体力トレーニングをしていたんだよ。
そして、周囲の心配を押し切って、病院から、スキーの大会に出場したんだ。
腹水を取り出す処置ができないから、紙おむつをしてだよ。
そして、苦しい症状を乗り越えて完走した。
順位は仕方ないけどね。映画じゃないんだから。
徹はいつも前向きで、まわりの人たちのことを思いやって弱音はほとんど吐かなかったけど、
ある時、寂しそうに言ったんだ。
「きっと俺が死んだら、みんな俺のことなんて忘れちゃうんだろうな」
って。
みんな、徹のことを知っておくれよ。
そして、苦しい時、彼のことを思い出して。
そして、あの世に行ってしまった彼に話かけてほしいんだ。
「私たち、こうして生きている。
あなたが生きたかった分まで、がんばるよ」
って。
この記事を見てそんな人がひとりでも増えてくれればいい−
心からそう願いたくなる本です。

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