☆ふつうの女の子 世界の旅☆

兼高かおるさんでもルポライターでもない、そこらにいそうなふつうの女の子がリュックひとつで世界への旅に出る。 そこで見たことあったことを綴って行くよ。 (恋もあり?!)  同じ場所を訪れた人の横入り参加も歓迎 (原稿送って!)。 火曜日更新。

2008年

12月02日

(火曜日)

2−44 ローアーケンブリッジに合格 

それから数週間後、旅行に出ていた私の留守中のこと。
ウェールズの小さな村の郵便局に、東の国から海を渡って何やら重た
い小包が届いた。

ワトソン家では開けてびっくり。
さまざまな美しいパックに入った羊羹が、わんさと出て来たんだ。

“上品な和菓子” と題する英文記事のコピーに始まり、きれいな写真
入りの虎屋のお菓子のパンフレットには、藁敷きは藁敷きでも、日本
の畳の上で菓子折箱を差し出している着物美人、衛生的工場での
製菓工程の写真も大きく載っていて、
虎屋の会社案内にはモダンなオフィスや社員寮、はては海の家、山
の家まで紹介されていた。

旅行から帰って来た私に、アネッカは、
「なぜあなたはこんなことに大金を使うの?」
と、食ってかかったほど。

そしてその荷物の中には、何と、虎屋の社長さんからのじきじきの励ま
しのお手紙が入っていた。
長くてていねいな文面で、

「日本には外人の虎屋菓子ファンも多いが、文化も風習も違うウェール
ズの村で大奮闘のあなたを応援します。
これからも日英相互理解のためにがんばって下さい」

どれほど感激し、嬉しかったか、わかってもらえるー?!
黒川社長さん、本当にありがとうございました!!

その羊羹が大評判だったのは、何と、近所の子どもたちの間で、
「お姉さんの国のお菓子よ」
と言ってあげたら、みんな「おいしい、おいしい!」 と言って食べた。

子どもは先入観なしに、素直に味わうことができるんじゃないかな。
こっちの方が本当の感想レポートだったかもしれないね!

もちろん、お礼といっしょに黒川社長さんにそのこと書き送ったよー。


さて、6月に私はオックスフォードに戻ってローアー ケンブリッジを
受験。合格したよ!!
これも毎日、日本語いっさいナシの英語の環境にいたのと、ワトソン
氏がテキストの答え合わせや面接の会話練習、作文の添削など、
受験勉強の個人教授になって下さったおかげだ!

それでね、一番上の試験、ケンブリッジ プロフィッシェンシーを目指す
決心をした。
前にも解説したけど、この試験は ”精通した”って名前の通り、ほんと
にレベルの高い試験なんよ。
日本人はほとんど受からないっていう…。
(まだこの時点で、日本人の合格者は全世界で 2,000人だけだって)
何年かかってもいい、ここまで来たらやっぱり合格したいよね!

それでワトソン家の家族との話し合いの結果、
やっぱり私は夏休み明けの秋の学期からオックスフォードで学校に
行かせてもらうことになった。

その代わり、週末や長いお休みにはできるだけマムに会ったりお手
伝いしたりするためにワトソン家に帰って来るという約束で。
自分の家に帰るように。

そしてオックスフォードではワトソン家所有の学生アパートのひとつに
住まわせてもらい、簡単なアパート管理を任されることになった。

共有部分はもちろん、明け渡しの部屋の掃除、留守中のワトソン氏の
居住空間の掃除、
郵便物をウェールズに転送したり、部屋を借りる問い合わせ電話の
取次ぎをしたり、
アパートのどれかの設備が故障したら、ワトソン氏に連絡して水道屋
さんや大工さんの修理に立ち合ったり。

もちろん、ワトソン氏オックスフォード滞在中は、私が食事の世話を
する。
それで一般のオペアと同じ条件である部屋と食事とお小遣い付きで、
その上、学費も出していただくことに。


マムは、私がオックスフォードに帰ると聞いてひどく取り乱して、
「あの子をお風呂場に閉じ込めて!」
とか、
「あの子をあの子のお父さんに頼んで買いたい」
なんて、わけのわからないことを言い出した。

アネッカは、
「もちろん、できるだけ安い方がいいけど」
なんて笑って言ったけど。

ワトソン氏は、
「母が人前でこんなに取り乱したのを初めて見た」
って痛く感じ入っていた。
そして、
「あなたは不幸続きの我が家に、太陽を持って来てくれた。
本当に感謝しています。 ありがとう」

見も知らぬ土地で、私のおいたちや今まで歩んで来た道について全く
知らない人たちと生活して、
ここまで言ってもらえるなんてネ。 (´Д⊂グスン

言葉の壁があっても、人と人はこんなふうに心が通じるんだってこと、
そして誠意を尽くして何でも一生懸命やっていれば、いつの間にか道
が開けて行くってこと、実感してるし、
今たまたまラッキーなのかもしれないし、こんな状況がいつまで続くの
かもわからないけど、今は素直に嬉しいよ。

オックスフォードでまた勉強と仕事、来年6月の受験まで一年間がん
ばるからね。
(応援して!)






追記:

虎屋さんのホームページを開いて見ましたら、社長さんのお名前が
黒川さんでした。
当時の社長さんなのか、息子さんなのかはわかりませんが、その節は、
外国の田舎で日本を理解してもらおうと奮闘する名も無い一大和撫子
(??) に大きなエールをお送りいただき、本当にありがとうございまし
た。
おかげさまで、心細い異国の地でがんばる力になりました。
心からお礼を申し上げます。







オックスフォードの学生アパート


下宿の庭


新しく住むことになった、ワトソン家所有の学生アパートの
裏庭を、2階の部屋から眺めたところ。
左の物置がなければ、けっこう広い。

遠くに見える建物もみな同じような造りのアパート。
だいたい3階建てくらいで、屋根裏部屋に半地下室もある。

私の部屋は、半地下室だった。




下宿の庭隣人と


庭のレンガ塀越しに、隣の住人の大学院生と世間話







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美弥

Author:美弥
小さな日本のそのまた小さな町の、空から見たら針の先のような屋根の下の人間関係に悩んでいた私。

”♪今、私の願い事が…” 
「そうだ、ほんとにその願い事叶えてあの広い空から地球を見下ろしてみよう。
私はこの家の子どもである前に、日本人、そして地球人。
美しい地球を見に見知らぬ国々に出かけてみる!」

そして実行。
そんな単純、無邪気な私ですが、行く末は…。

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